SSudo's Lab

須藤爽のブログです。専門は英語教育政策。重要文献のログ・感想を残していきます。

村上・橋野 (2020) を英語教育政策の観点から読む:12章と終章

前回のつづき。今回がラスト。sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp今回は12章「個別行政と総合行政」と終章「今後の学習のための視座」 12章「個別行政と総合行政」 …

村上・橋野 (2020) を英語教育政策の観点から読む:10章と11章

前回のつづき。sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp今回は10章「統合と分立」と11章「民主性と専門性」。 10章「統合と分立」 教育委員会制度 コミュニティースクール(学校運営協…

観光施策と言語政策

日本言語政策学会特別セミナーに参加した。 今日は第1回が開催され、「言語政策の基礎1:言語の地位―流動化する地位をめぐって」山川和彦(麗澤大学教授)という内容だった。せっかくなので、事前に山川さんの論文・書籍を読んで臨もうと思い、いくつか読…

村上・橋野 (2020) を英語教育政策の観点から読む:8章と9章

前回の続き。sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp今回は、8章「権力の集中と分散」、9章「集権と分権」。 8章「権力の集中と分散」 政治主導の強まりによる結論ありきの議論 英語教育のアジェンダ設定の特…

公共政策としての言語政策研究

書誌情報:Gazzola, M. (2022). Language policy as public policy. WORKING PAPER NO. 22‐2. https://www.ulster.ac.uk/__data/assets/pdf_file/0009/1215882/REAL-22-2.pdf読書会で上の論文を読んだ。重要箇所の引用とコメントを記す。 1. Introdcution 2.…

村上・橋野 (2020) を英語教育政策の観点から読む:6章と7章

前回の続き。 sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp今回は6章「投入と成果」と7章「事前統制と事後統制」。 「英語教育政策の観点から読む」というタイトルではあるが、今回は「英語」教育政策自体の話は少なくなってしまった。 6章…

村上・橋野 (2020) を英語教育政策の観点から読む:4章と5章

前回のつづき。sudos.hatenablog.jp sudos.hatenablog.jp今回は4章「選抜と育成」と5章「教育における自由と平等」。 4章「選抜と育成」 「選抜」ときくと、個人的には入学者選抜(=入試)を連想してしまうが、ここでの選抜は「教員養成にかかわる選抜」を…

村上・橋野 (2020) を英語教育政策の観点から読む:2章と3章

前回のつづき。sudos.hatenablog.jp 今回は2章「量的拡充と質的拡充」と3章「投資としての教育と福祉としての教育」。 2章 機関補助と個人補助 就学機会の保障や教育条件の整備が公財政支出によって賄われる場合に、それが誰に対して支出されるのかという政…

村上・橋野 (2020) を英語教育政策の観点から読む:序章と1章

書誌情報:村上祐介・橋野晶寛 (2020) 『教育政策・行政の考え方』有斐閣 教育政策・行政の考え方 有斐閣ストゥディア作者:村上祐介,橋野晶寛有斐閣Amazon 本書は教育政策・行政における重要な理論や概念について紹介する「教科書」的文献。教科書というだけ…

「英語教育・日本人の対外発信力の改善に向けて(アクションプラン)」について一言二言

書誌情報: 文部科学省 (2022)「英語教育・日本人の対外発信力の改善に向けて(アクションプラン)」 https://www.mext.go.jp/a_menu/other/mext_01982.html やっぱ、そうなってしまうわな 私立大学等改革総合支援事業(私立大学等経常費補助金)における調…

外国語教育は「必ずしも英語である必要はない」わけではない:「新英語教育研究会」シンポジウム (2022) の感想

7月30日に開催された新英語教育研究会のシンポジウムを拝聴しました。 最初に、鳥飼玖美子氏、大津由紀夫氏、斎藤兆史氏、江利川春雄氏からそれぞれ20分ずつ問題提起が行われ、その後40分程度で自由討論という流れでした。 全体的に面白かったので満…

兄弟・姉妹の「性別」が子どもの政治・社会的価値観に及ぼす影響

だいぶ前に読んだ文献。因果推論の復習をしたいと思い、改めて読み直した。 以下、要約とコメントを記す。 書誌情報 A, Healy., and N, Malhotora. (2013). Childhood socialization and political attitudes: Experience from natural experiment. The Jour…

言語政策研究における歴史制度論の活用

書誌情報:Sonntag, S., and Cardinal, L. (2016). State traditions and language regimes: A historical institutionalism approach to language policy. Acta Universitatis Sapientiae European and Regional Studies, 8 (1), 5-21. https://doi.org/10.…

「日本のウォッシュバック研究のレビュー論文」をさらにレビューしてみた

書誌情報:Allen, D., & Tahara, T. (2021). A review of washback research in Japan. JLTA Journal, 24, 3-22. https://doi.org/10.20622/jltajournal.24.0_3 日本における英語試験・テストのウォッシュバック研究のレビュー論文。 中止に終わった大学入試…

日本の「英語」教育におけるCEFRの政策借用

先日、とある読書会で以下の論文を読みました。Nishimura-Sahi, O. (2020). Policy borrowing of the Common European Framework of Reference for languages (CEFR) in Japan: an analysis of the interplay between global education trends and national …

政策論議でのエビデンス活用における「ネゴシエーション」の重要性

書誌情報:Parkhusrt, J. (2017). The politics of evidence (R) The political perscpective used in this book starts from a recgnition that policymaking is typically concerned with setting priorities and allocating scarce resources. In doing s…

論文を寄稿しました:「大学入試改革から見る英語教育政策の現状と課題」

先月、大学入試改革の一連の政策過程についての論文を寄稿しました。 先行研究・議事録をもとに、この度の大学入試改革の政策過程について多角的に論じることを目指しました。オープンアクセスです。須藤爽 (2022)「大学入試改革から見る英語教育政策の現状…

「エビデンス」の4つの意味

書誌情報 亘理陽一「エビデンスに基づく教育は何をもたらすのか」『人間と教育』106, 20-27.日常語と専門語で大きく意味が異なる用語は複数ありますが、とりわけ「エビデンス」という用語は扱いに注意が必要です。情報があふれるこの世の中、その情報にどれ…

Washback effects 関連のメモ① (Dong, 2020)

1. 書誌情報 Dong, M. (2020). Structural relationship between learners’ perceptions of test, learning practices, and learning outcomes: A study on the washback mechanism of a high-stakes test.] Studies in Educational Evaluation, 64, 1-11. 2…

「大学入試改革」に関する研究テーマをメモしておこうかと ② (文部科学省, 2021)

書誌情報 文部科学省 (2021) 「これまでの主な意見の概要(第1回~第20回)」前回sudos.hatenablog.jpに引き続き、今回は「2. 高校教育、大学教育と大学入試との関係」から気になったところをチェックして参ります! 書誌情報 第2章全体の傾向 賛成派の意見 …

「教育政策」って誰がどうやって決めるの?

今回は、「教育政策はどのようにして形成されるのか」をテーマに、上記文献の読書メモを書いていきます。最近だと、「小学校英語導入」「大学入試英語に民間試験を導入」「共通テストに記述式を!」等が話題になりましたが(内、「小学校英語導入」のみが実…

「大学入試改革」に関する研究テーマをメモしておこうかと ① (文部科学省, 2021)

書誌情報 文部科学省 (2021) 「これまでの主な意見の概要(第1回~第20回)」 「大学入試のあり方に関する検討会議」は、2020年1月15日に第1回が実施され、本稿執筆時点までに計21回行われてきました(ちなみに、第22回は3月4日に開催される模様)。これまで…

少人数学級って意味あるの?

※ 結論だけを知りたい方は「結果」をクリックしてください 書誌情報 リサーチクエスチョン 研究の背景 (1) テーマの重要性 (2) 先行研究の問題点 方法 (1) ケースセレクション(事例選択の正当性) (2) 処置 (3) 処置の割当メカニズム (4) 結果変数の測定方…

「新しい能力」って、ほんとうに「新しい」の? 

書誌情報 中村高康 (2018) 『暴走する能力主義:教育と現代社会の病理』筑摩書房 リサーチ・クエスチョン 背景 1.社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力 2.多様な社会グループにおける人間関係形成能力 3.自律的に行動する能力 筆者の…